夏バテとは
夏の暑さと冬の寒さは、四季のある日本では当たり前のことですが、冬は厚着をすれば寒さをしのげます。しかし夏は裸になっても暑ければどうしようもありませんよね。
そんな暑くて湿気の多い日本の夏が苦手だという人も多いのではないでしょうか。とは言え日本に住んでいる間は毎年くる暑い夏に備える必要があります。それにはまず夏バテの正体を知り、予防をしなければなりません。
夏バテのメカニズム

これは気温だけでなく湿度が高い高温多湿の日本だからなんです。湿度の低い熱帯のハワイの方が過ごしやすいのはそのせいなんです。
夏バテのメカニズムですが、人間は暑いと汗をかいて体温を一定に保とうとします。汗をかくと体内の熱を拡散させます。
そうすると当然体内の水分が減少するので、自然と喉が渇き水分を補給します。水分が補給されれば元の状態に戻ります。
しかし高温多湿の状態が長く続くと、汗を慢性的にかき続け、必要以上に水分を取りすぎます。そのため体内の塩分が不足します。
そうなると体がだるく疲れやすくなります。水分や冷たいものを取りすぎることで、消化機能が落ちて、食欲がなくなります。
食欲が無くなるため、栄養の少ないあっさりとした食事が多くなって、カロリーや栄養が不足します。さらに熱帯夜が続くことで、寝不足になります。
こういったことが重なって夏バテになるわけです。
日本の暑さ対策
夏バテとは最近のものではなく、昔から日本では悩みの種だったようです。日本では夏の暑さに対応するための知恵がいたるところにあって、蒸し暑い夏を乗り切ってきたようです。
その知恵のひとつが家です。昔の日本の家はほとんどが襖や障子で間仕切りしています。これらを全部あけてしまえば家の中を風が抜けて涼しくなります。
またお寺や神社などのように、高貴な人の家の床はかなり高くなっています。これは風通し良く湿気を防ぐというい役割がありました。
日本家屋は高温多湿に対応するために作られた日本人の知恵の結集だったようです。
そして、風鈴、金魚、花火、寄席の怪談話など、涼しくなる工夫が夏の風物詩でした。 エアコンや扇風機が登場するまでの時代、扇子やうちわが体を冷やすアイテムとして使われていました。
また水浴びや行水などで体を冷やして、ウナギやドジョウを食べて栄養をとり、夏を乗り切りました。
現在では、どこの家でもエアコンがあり、スイッチを入れれば簡単に涼しい温度にすることができるようになりました。
しかしそのエアコンがまた現代の夏バテの原因になってしまったのは皮肉な話です。
夏バテの原因と症状
夏バテといえば暑さだけを考えがちですが、現在では暑さだけでなく、エアコンなどの冷えも原因になることもあります。
外気がと室内などの気温差が10度以上ある場合、体が気温について行かずに体調をこわすこともあります。
暑いだけでなく、湿気の多い日本の夏が苦手だという人も多いのではないでしょうか。とは言え日本に住んでいる間は毎年くる暑い夏に備える必要があります。
それにはまず夏バテの正体を知り、予防をしなければなりません。
冷房病という夏バテ
現代では、オフィスやさまざまな施設には、ほとんどエアコンが設置されて冷房がきいた状態になっています。
そして、道路からの太陽の照り返しや、ビルからの放射熱により、都会ではより暑く感じるようになっています。
そのため冷房の効いた室内と、夏の昼間の温度差が10度以上になることは珍しくありません。
人間はそうした温度差に対応できなくて、手足の冷え、だるさ、頭痛、めまい、夏風邪などの、さまざまな症状が表れます。
これらは、冷房病などと呼ばれてますが、現代において夏パテの一種なんです。
特にビジネスマンの方で夏の炎天下でも外回りを行う必要がある人には過酷な状況だと思います。
社内、客先、交通機関など冷房の効いた設備と、炎天下の温度差ははげしく、汗をかいた状態で体を冷房で冷やすという繰り返しが冷房病という夏バテの大きな原因にもなっています。
温度差が体に与える影響
例えば、室内は23度、室外は35度以上という環境で室内と室外を何度も出入りすると、体はどうなるのでしょう。体が温度差にうまく対応できなくなってきます。
皮膚の欠陥が広がったまま、もしくは縮まったままになり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
そうなると体温保持ができなくなって、手足や腰の冷えや、体のだるさ、頭痛、めまい、夏風邪などのさまざまな症状が表れます。
極端な温度差の環境が冷房病という夏バテを生んでいるのです。